明治の「愛国心」
明治初期どのように「愛国心」を植え付けてたのか考えるため、ぺりかん社「『神国』の正統論」齋藤公太著を読んでいていると次のように書いてある。
今泉定介・畠山健訂正標註の「訂正標註神皇正統記」に今泉はその「刊行の趣意」で、国文の目的は文章を正しく綴ることとともに次のように述べている。「本書を読まんものハ、神器授受の大典、皇位継紹の尊厳なるを知り、国体の如何を明らかにする事を得べし、これ、邦人の必しも知らざるべからざる事なり」と記述している。
すなわち、国語教育で天皇の正統性を教えていくべきだと示している。
そして、明治二七年の「尋常中学校ノ学科及其程度」では、その趣意説明に次のように書かれている
「国語教育ハ愛国心ヲ育成スルノ資料タリ又個人トシテ其ノ思想ノ交通ヲ自在ニシ日常生活ノ便を給足スル為ノ要件タリ今ノ青年ニシテ中等又ハ高等教育ヲ受タル者卒業ノ後或イハ此ノ点ニ於テ不足ヲ感スル者多シ是レ授業時間ヲ増加スル已ムヲ得サル所以ナリ」
とかかれ、愛国心を育成するのに国語教育の重要性をうたっている。
そでは、「神皇正統記」をもって、どの部分を愛国心教育に利用したのか、それは、「神皇正統記」の序論野冒頭に書かれている次の所といえる。
大日本者神國(おほやまとはかみのくに)也。天祖(あまつみおや)はじめて基(もとゐ)ひらき、日神(ひのかみ)ながく統(とう)を傳(つたへ)給ふ。我(わが)國のみ此事あり。異朝(いてう)には其たぐひなし。此故ニ神國(かみのくに)と云(いふ)也。
神代(かみよニハ豐葦原千五百秋瑞穗(とよあしはらのあきのみずほの)國といふ。天地開闢(てんちかいびゃく)の初(はじめ)より此名(な)あり。天祖國常立尊(あまつみおやくにのとこたちのみとこ)、陽神陰神(をがみめがみ)にさづけ給し勅(みことのり)にきこえたり。天照太神(あまてらすおほみかみ)、天孫(あめみま)の尊に讓(ゆづり)まし/\し〔にも〕、此名あれば根本(こんぼん)の號(な)なりとはしりぬべし。(岩波文庫「神皇正統記 岩佐正校注」送り仮名を( )に著者変換)
明治憲法の告文と憲法発布勅語そして、憲法本文には、第1章第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス となり、よって第3条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス と続くのだろう。
このようなことを見ていくと、政治家が日本は「神の国」だといったのは、森喜朗首相だが、彼は戦前生まれで、明治の教育を受けているので、そのような考えがあっても不思議ではないが、戦後生まれの日本国憲法での教育を受けた政治家も、同類の発言をする人がいることは、現行憲法が施行された直後から、象徴天皇制に反対しきた人たちの芽がいま芽吹いているといえる。
日本は天皇の国だ、神の国だと言う人は、神皇正統記の冒頭の部分をさして述べていると考えられ、単なる失言ではなく確信犯です。
そして、その確信犯二通りある。
一つは、「神皇正統記」読んでの単なる受け売りで中学生以下のレベルだ。もう一つは、明治回帰を夢見明治憲法復活を願う人だろう。
今泉定介・畠山健訂正標註の「訂正標註神皇正統記」に今泉はその「刊行の趣意」で、国文の目的は文章を正しく綴ることとともに次のように述べている。「本書を読まんものハ、神器授受の大典、皇位継紹の尊厳なるを知り、国体の如何を明らかにする事を得べし、これ、邦人の必しも知らざるべからざる事なり」と記述している。
すなわち、国語教育で天皇の正統性を教えていくべきだと示している。
そして、明治二七年の「尋常中学校ノ学科及其程度」では、その趣意説明に次のように書かれている
「国語教育ハ愛国心ヲ育成スルノ資料タリ又個人トシテ其ノ思想ノ交通ヲ自在ニシ日常生活ノ便を給足スル為ノ要件タリ今ノ青年ニシテ中等又ハ高等教育ヲ受タル者卒業ノ後或イハ此ノ点ニ於テ不足ヲ感スル者多シ是レ授業時間ヲ増加スル已ムヲ得サル所以ナリ」
とかかれ、愛国心を育成するのに国語教育の重要性をうたっている。
そでは、「神皇正統記」をもって、どの部分を愛国心教育に利用したのか、それは、「神皇正統記」の序論野冒頭に書かれている次の所といえる。
大日本者神國(おほやまとはかみのくに)也。天祖(あまつみおや)はじめて基(もとゐ)ひらき、日神(ひのかみ)ながく統(とう)を傳(つたへ)給ふ。我(わが)國のみ此事あり。異朝(いてう)には其たぐひなし。此故ニ神國(かみのくに)と云(いふ)也。
神代(かみよニハ豐葦原千五百秋瑞穗(とよあしはらのあきのみずほの)國といふ。天地開闢(てんちかいびゃく)の初(はじめ)より此名(な)あり。天祖國常立尊(あまつみおやくにのとこたちのみとこ)、陽神陰神(をがみめがみ)にさづけ給し勅(みことのり)にきこえたり。天照太神(あまてらすおほみかみ)、天孫(あめみま)の尊に讓(ゆづり)まし/\し〔にも〕、此名あれば根本(こんぼん)の號(な)なりとはしりぬべし。(岩波文庫「神皇正統記 岩佐正校注」送り仮名を( )に著者変換)
明治憲法の告文と憲法発布勅語そして、憲法本文には、第1章第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス となり、よって第3条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス と続くのだろう。
このようなことを見ていくと、政治家が日本は「神の国」だといったのは、森喜朗首相だが、彼は戦前生まれで、明治の教育を受けているので、そのような考えがあっても不思議ではないが、戦後生まれの日本国憲法での教育を受けた政治家も、同類の発言をする人がいることは、現行憲法が施行された直後から、象徴天皇制に反対しきた人たちの芽がいま芽吹いているといえる。
日本は天皇の国だ、神の国だと言う人は、神皇正統記の冒頭の部分をさして述べていると考えられ、単なる失言ではなく確信犯です。
そして、その確信犯二通りある。
一つは、「神皇正統記」読んでの単なる受け売りで中学生以下のレベルだ。もう一つは、明治回帰を夢見明治憲法復活を願う人だろう。