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明夷待訪録 黄宗羲 法制論

明夷待訪録 黄宗羲 法制論
三代以前には方があった。(ここで言う法とは、法律などのだけでなく制度なども含んでいる) 
三代以降には法がない。
二帝三王(二帝、堯 舜  三王、夏の兎王 殷の湯王 周の文王・武)は、天下の人々に養いがなくてはならないことを知っていた、そこで天下の人のために田地を授けて耕かせた。天下の人々に衣服がなくてはならないことを知っていたので、天下の人々のために桑や麻を植えさせた。天下の人々に教育がなくてはならないことを知っていたので、学校を作り教育を盛んにし、礼を設けて欲のおぼれ乱れるのを防いだ。そして兵役の義務を定め、その騒乱を防いだ。これが三代以前の法で、おのれ一人のために設けるということは、もとより絶対になかった。
後世の君主は、すでに天下を手に入れているので、その皇運が長く続かないことや、子孫が保持しえないことをひたすら憂い、まだ起こらないさきから災いを憂いて、それらに対する法を作った。それらの法は天下の法ではなく、一家の法うである。
(参照 平凡社 東洋文庫 明夷待訪録 黄宗羲 西田太一郎訳)

いまの、憲法と法律や制度を考えると、明治憲法は天皇家の欽定憲法であり国家も天皇家のものであったと言える。それはまさしく天下の法ではなく、一家の法と言えるのではないか。それを正当化するために、教育勅語が憲法発布の前に勅下されたのであろう。しかし、近代民主主義国家になるために、日本国憲法とそれにより作られた法律や改革された制度は、まさに天下の法を具現するためにあったのではないか。

しかし、日本国憲法が施行されて70年たち見てみると、日本国憲法施行により制度改革されたものが、次々と天下のためでなく、一部の人のためや国家のために、造り替えられているのではないか。それは天下の国民を守るために作られていた、さまざまな規制が緩和され弱肉強食の勝ち組の人が豊かになるようになり。自由な多様な働き方と言いながら、雇用者に有利な働かせ方改革がなされている。
これらはまさに、麻生氏が言ったように国民が知らないうちに変えてしまうやり方です。

黄宗羲はさらに次のように述べている。
三代の方は、天下を天下にしまっておくものであった。山林沼沢からの利益はことごとくとるのではなく、賞罰の権限は、人手に渡ることを憂えなかった。朝廷のものが貴いとは限らず、在野のものが賤しいとは限らなかったのである。

今風にいうなら、産業による恩恵と利益は貪らなかったということであろうし。賞罰は権力者の阿るものではなく、三権分立でないといけないいうことであろう。
中国にも明の末期から清にかけての、1600年代にこのような考えをもっていた人がいたのです。いまの世の中を見ると、この黄宗羲よりも劣る考えになってしまっているところがあるのではないだろうか。
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