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蝉丸

これやこの 行くも帰るも わかれて
      知るも知らぬも あう坂の関

これは誰でもが知っている、小倉百人一首にもある蝉丸の歌です。

蝉丸は今昔物語によると、宇多天皇の息子敦弭昵實親王の雑子で、親王から琵琶の秘曲を聞き覚え、後に逢坂山に住んだとされ。醍醐天皇の皇子とも言われるが。能のでは延喜帝の第四皇子で、生まれついた目が不自由で、帝から逢坂山に捨てられ、暗夜に藁葺き屋ねの荒ら屋で、風の音を聞きながら寂しく琵琶を抱いて泣いていた。一方、第三皇子の姉宮が逆髪の存在が帝をそうさせたととも言う。
延喜天皇と言うのはいないが、醍醐天皇の治世のときの年号は、昌泰・延喜・延長なので醍醐天皇のことを、延喜天皇というのであろう。これは明治以降は天皇が崩御されるとその時の年号をつけて呼ぶのと同じでしょう。

蝉丸は生まれながら目が不自由であったが、歌を読み琵琶を奏でたことから、目が不自由なこと以外は、他の同世代の若者と何ら変わりなかった。
一方一つ上の、姉は「心より/\狂乱して。辺土遠郷の狂人となって。翠の髪は空さまに生い上つて撫づれども下らず」とあるように、路頭をさまよい歩いている。そのようななか逆髪は逢坂山に迷い込み、聞き覚えのある琵琶の音を聞き、蝉丸に再開するのだが。
この曲は、人気ある曲で今はよく上演される曲です。しかし、天皇家の悲劇を主題として扱ったもので、宝生流の上演を阻止しようと右翼が押しかけたこともあり、一時戦時中は右翼からの攻撃で上演が自粛されたことがあった。

しかし、離れ離れになった兄弟が再開するが、姉は狂乱し流浪の身で、弟は目が不自由の身で藁ぶきの琵琶法師。姉弟の障碍は前世の行いの咎からくるもので、後世のためにと父である延喜帝から放逐された身。それなら二人の一緒に暮らせばよいのだが、それもかなわぬことで姉の逆髪の声が遠ざかっていく聞きつけた蝉丸はただ佇み見送っている。

蝉丸は百人一首にも選ばれるような、優れた歌人であり琵琶法師でもある、また逆髪も狂乱するというが、いつもそのようではなく、発作がでるのかまた発達障害で周囲の状況によりパニックになるかのように思えるが、帝という身分の地位というものは無情なもので、当時の頃は天変地異や自然災害などが起きるのは、治政が悪いかとされていた時代。自分の子供に障碍がなどがあるのは、このように良くない災いを起こすので、最愛の子を放逐してしまうのは惨いことです。

この曲はそのような、人間の運命を描いた、貴種たちの悲劇なので人気があるのでしょう。
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記事へのコメント
  • 臨時国会の開催はいつか
    風と雲 (08/04)
    一体今の日本はどうなってしまったのだろうかと思う。アベ内閣も与党も憲法に違反することを完全に無視して悪びれもせず堂々と実行してきた。、政府高官も最高裁も報道機関
  • 難病と尊厳死
    竹林泉水 (07/29)
    コメントありがとうございます。

    自ら生きる権利、自ら死ぬ権利があるのはよくわかります。
    それにはどちらも人・個人としての尊厳が保たれている必要がある考えます。
  • 難病と尊厳死
    風と雲 (07/28)
    意識して自ら命を絶つことができるのは人間だけだと思います。人には生きる権利と自由があるように、自らの命を絶つ権利も自由もあって然るべきではないでしょうか。このA
  • 不自由な国、日本
    アジシオ次郎 (07/01)
     自分よりも周りを優先する集団主義的な考えが同調圧力などがまかり通る社会なことについて前に
    >日本的なこの価値観は、海外から見たら奇異の目でしか見られないでしょ
  • 不自由な国、日本
    竹林泉水 (06/29)
    日本語に「世間」と言葉があります。「世間体が悪い」「世間がうるさい」「世間を渡る」「世間に顔向けできない」「世間の目を気にする」「渡る世間に鬼はいない」などとつ
  • 不自由な国、日本
    アジシオ次郎 (06/27)
     おはようございます。

     日本はやはり集団主義が根強い社会であり、いわゆる「ムラ」社会的価値感が強い為に変に「和」を重んじる傾向の上に上の言うことは絶対だという
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    竹林泉水 (06/26)
    なんで日本人は欧米人に対してコンプレックスを持っているのだろうか。明治政府は今までの幕藩体制をぶっ壊し廃藩置県をし、国内の不平不満のエネルギーを外に敵を作ること
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    アジシオ次郎 (06/25)
     こんにちは。

     日本人は長年欧米コンプレックスを抱いたせいで白人に対して好意的に見る一方でアジア人や黒人を平気で見下すような傾向が強いけど、自分たちが置かれて
  • 長期政権
    アジシオ次郎 (06/24)
     おはようございます。

     長期政権がもたらすもの、それは腐敗と閉塞感以外の何物でもないが、一人の人間が十何年、何十年と居座ってては健全さなど皆無だし、変化を知ら
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