竹林の Twitter 新しいウインドウで開きます。

軍隊は国民を守るにあらず国を守るもの

私自身軍隊の役目を大きく勘違いしていた。地震や台風などの大きな災害が起きたとき、その地域の自治体が自衛隊に救助復旧へ出動要請をする。これは、軍隊が勝手に民間人が住む市街地に出動してはならないからだが、自衛隊への出動要請は、自衛隊は国を守るためだけでなく、国民の生命と住む権利を守るためだから当然だと考えていた。
しかし、自衛隊法を読むと、その次のように書かれている。
(自衛隊の任務)
第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

ここには、一切国民の命を守ることについては書かれていない。国民の生命を守るのは、警察や消防やレスキュー隊などがその任務をかせられている。また、民間救助隊などサンダーバードのようなが組織もあるという。

栗栖弘臣第10代統合幕僚会議議長(元大日本帝国海軍軍人)が、『日本国防軍を創設せよ』小学館文庫2000年で次のような見解をしている。
「今でも自衛隊は国民の生命、財産を守るものだと誤解している人が多い。(・・・中略・・・)政治家やマスコミも往々この言葉を使う。しかし、国民の生命、財産を守るのは警察の使命であって、武装集団たる自衛隊の任務ではない。自衛隊は国の独立と平和を守るのである。警察法と自衛隊法に書いてある。この場合の国とは、我が国の歴史、伝統に基づく固有の文化、長い年月の間に醸成された国が、天皇制を中心とする一体感を共有する民族家族意識である。決して個々の国民を意味しない。もし個々の国民を指すとすると、自衛官も守られるべき国民であるから、生命を犠牲にすることは大きな矛盾である」
さらに次のようにのべている。
「現代の戦争は国民全部の戦いであって、決して自衛隊のみが守るのではない。自衛隊は最前線の最も苛烈な局面を担当するが、国民すべてが強固な抵抗意志を持たなければならない」。

この「現代の戦争を国民全部の戦」どのように解釈すべきか、敵国が攻め込んでききその抵抗運動は、レジスタンスやパルチザンなどのゲリラ戦をさすのだろうか。それとも自衛を名目にして対象国に対して戦うために兵役につかねばならないこともさすのだろうか。

前者が国家主導で行われると、国民すべてが戦えとなり、抵抗意識が弱い者、反対する者は非国民だとし、日常生活が監視されかねない。後者と一体になると、先の戦争での沖縄戦のようになり、軍が民間人を盾にするようなことにもなりかねない。そして、一体化への抵抗や反対にたいしての、考えの改まらない者は監視され場合によっては投獄してもよいという考えにおちつかないだろうか。
特に、戦前は天皇の軍隊、皇軍として国民は臣民であったので、兵役についたものだけでなく、一般の臣民も命を落とすべきとされた。この栗栖弘臣は元帝国軍人であったので、特にこのような考えは強かっただろうが、どこの国の軍人もこのような考えを持っているのだろう。

国とはなにか安倍首相が盛んに言う「国柄」「美しい国、日本」であり、明治憲法や自民党の憲法改正草案によると、元首である天皇と言うことになるだろう。
そこで必要になってくるのが、国の歴史の作り方であり、伝統の独自性とそれに基づく文化であり、民族意識となってくる。それには、日本は単一民族国家でないと都合がわるいので、アイヌ民族はいないなどと言う人があらわれたり、琉球処分として琉球王国を沖縄県とし、琉球民族を認めないようなことがでてくるのだろう。
それにより、独自の伝統や固有の文化という、抽象的な概念を作りだし、国民の意識を統合しようとすることが強まってきている。最近のNHKなどが放送する愛国ポルノ的な番組がそうだろう。
新自由主義の限界が見え、グローバル化の綻びが表れ、ナショナリズムが頭をもたげネオコン擡頭してきている世界情勢のなか、今後の世界と日本国内の趨勢に気を付けて行かなければならないだろう。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

自衛隊法第三条に人命救助をする仕事として書かれていますよ。
主たる任務ではないけれど、副次的任務としてきちんと規定されています。
元統合幕僚議長の述べていることは明らかに誤りです。

Re: No title

コメントありがとうございます

自衛隊法にどのように明記されていようが、文官と武官との考えの違いはあるのではないでしょうか。
栗栖弘臣の言ったことは、上級指揮官である制服組の本音だと思います。
だからこそシビリアンコントルールが大切なのだといえるでしょう。

安保条約の基づいた日米地域協定において開かれる、合同委員会で「日本にとっていちじるしい重要な事件以外は裁判権を行使しない」という日米の密約があります。日本にとって日本人の生命や生存権が脅かされることはいちじるし事件です。しかし国民が米兵や米軍族に殺されたり暴行を受けたりしても、日本の法ですんなりと裁くこはできません。
これはやはり、国民を重視しることより国の方が大切だと言うことではないでしょうか。
■竹林乃方丈庵の主から■

・いつも拙文を読んでいただきありがとうござます。
・見聞きしたことを独断と偏見で、気ままに綴ったものです。
・自分のために無責任に書き留めたものですから、読み終わったら捨て下さい。

記事の整理棚
禅 (2)
最新の30の記事
月別の過去の記事
04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   09   08  
単語による記事検索
竹林の過去の戯言のタイトル

過去の記事タイトルを100件づつ表示します

記事へのコメント
  • 明夷待訪録 黄宗羲 臣下論
    竹林泉水 (04/20)
    たんめんさんコメントありがとうございます。
    わたしは、西田先生は存じ上げていないですが、この『明夷待訪録』はなかなかのものです。
    明朝清朝の時代から、このような考
  • 明夷待訪録 黄宗羲 臣下論
    たんめん老人 (04/19)
    『明夷待訪録』の翻訳者である西田先生には大学で東洋社会思想史と、リレー形式の世界史の中国近代の部分を教えていただきました。東洋社会思想史では康有為をはじめとする
  • 学校の先生の多忙と部活の外部指導員
    竹林泉水 (04/17)
    学校の教員の仕事は、校務は生徒指導と教科指導のほかにも、校務をするうえで校務分掌の仕事がある。その分掌のしごとはその学校内だけでするものではなく、対外的のものが
  • 学校の先生の多忙と部活の外部指導員
    アジシオ次郎 (04/16)
    こんにちは。

    ただでさえ中学校や高校は公務と部活動の両立が教員の負担を大きくしているけど、外部から指導者を呼んで部活動はその指導者に任せて教員は公務に専念。こ
  • 国連の幸福度ランキング またランクが下がった
    アジシオ次郎 (03/17)
    おはようございます。

    幸福度が54位と前回より3つ下がった日本、主要国に限れば低い部類に位置づけられそうだが、この事実を日本政府や社会全体でどう見てるのか、こ
  • 公文書の書き換えは重大な問題
    竹林泉水 (03/15)
    そうですね、公文書を書き換えることは官僚によらず誰もがしてはならないことです。高級官僚などはそのことは充分知っています。書き換えられがことは事実で、1個人が勝手
  • 公文書の書き換えは重大な問題
    アジシオ次郎 (03/14)
    こんにちは。

    森友問題は財務書による決裁文書の書き換え疑惑も浮上したけど、官僚が公文書を書き換えるというのはあってはならない行為だし、社会一般だったら公文書偽
  • 最近思ったこと
    泉水 (03/09)
    風と雲さんコメントありがとうございます。


    これから日本はどこに行こうとしているのでしょうか。

    日本に限ったようではないですが、世の中はどんどん保守化していてい
  • 最近思ったこと
    風と雲 (03/08)
    筆者と同じ思いです。第二次安倍内閣以降、民意、野党、法理、倫理を無視し、強引に独善を進める姿勢は、国全体の空気を不健全、不誠実に塗り替えているように思います。国
  • 記事へのトラックバック
    ブロとも一覧

    うたのすけ

    山下道場

    荒野鷹虎

    海空居士

    紀瀬美香

    marihime

    お父さんの旅

    キラベル

    silver camellia

    kbrkのつぶやき

    魚京童!

    俊樹

    アジシオ次郎

    ほんわか?絵日記

    吾輩と旅と副業

    Chronos Moon

    ざっくり読書感想文

    Taiwa Sato

    びとら

    Resale Japan

    QWERT 5w1h

    (o ̄∇ ̄o)♪

    HIROGACHAN+

    しんのすけたろ

    勝ち組の日経225

    ハセッチブログ

    五月雨 時雨

    諭吉

    さくらさくら1

    不思議な不正義2
    ブロとも 申請フォーム

    竹林乃方丈庵のブロとも申請はこちらからです。

    Webページへのリンク
    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    更新履歴
    今日の暦と天気

    日めくりカレンダの説明

    ■2016年旧暦 日月の出入■

    03 | 2018/04 | 05
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930-----

    ★☆今宵の夜空☆★

    NHKらじる★らじる
    大阪東京第2FM大阪
    何の日



    ご訪問ありがとうございます
    竹林泉水のTwitter
    FC2掲示板
    [ブログ記事へのコメント 掲示板のレス 感想など]
    ■□FC2のブログ□■
    _/_/_/竹林乃方丈庵を_/_/_/
    _/_/_/ リンクに追加 _/_/_/
    □■□■徒然諸諸■□■□ □■□■心の時代■□■□ □■□■息身心/健康■□■□ ----- □■□■厚生福祉■□■□ □■□■その他■□■□
    □■FC2以外のブログ■□
    諸諸 徒然 「身・息・心」 こころの時代
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR