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民主主義 2

13日に、1948年に文部省が中高生向けの「民主主義」という教科書に書かれている「ほととぎすの托卵」の話をした。この話は、「民主政治の落とし穴」という項に書かれています。
その次の項には「多数決と言論の自由」があり、言論の自由の大切さがわかりやすく書かれている。長くなるが全文を紹介してみる。
     民主主義上  民主主義下


 多数決と言論の自由

多数決の方法に伴なうかような弊害を防ぐためには、何よりもまず言論の自由を重んじなければならない。言論の自由こそは、民主主義をあらゆる独裁主義の野望から守るたてであり、安全弁である。したがって、ある一つの政党がどんなに国会の多数を占めることになっても、反対の少数意見の発言を封ずるということは許されない。幾つかの政党が並び存して、互に批判し合い、議論をたたかわせ合うというところに、民主主義の進歩がある。それを、「挙国一致」とか「一国一党」とかいうようなことを言って、反対党の言論を禁じてしまえば、政治の進歩もまた止まってしようのである。だから、民主主義は多数決を重んずるが、いかなる多数の力をもってしても、言論の自由を奪うということは絶対に許さるべきでない。何事も多数決によるのが民主主義ではあるが、どんな多数といえども、民主主義そのものを否定するような決定をする資格はない。

 言論の自由ということは、個人意志の尊重であり、したがって、少数意見を尊重しなければならないのは、そのためである。もちろん、国民さえ賢明であるならば、多数意見の方が少数意見よりも真理に近いのが常であろう。しかし、多数意見の方が正しい場合にも、少数の反対説のいうところをよく聞き、それによって多数の支持する意見をもう一度考え直してみるということは、真理をいっそう確かな基礎の上におくゆえんである。これに反して、少数説の方がほんとうは正しいにもかかわらず、多数の意見を無理に通してしまい、少数の人々の言うことに耳を傾けないならば、政治の中にさしこむ真理の光はむなしくさえぎられてしまう。そういう態度は、社会の陥っている誤りを正す機会を、自ら求めて永久に失うものであるといわなければならない。

 だから、多数決によるのは、多数の意見ならば正しいと決めてかかることを意味するものではないのである。ただ、対立する幾つかの意見の中でどれが正しいかは、あらかじめ判断しえないことが多い。神ならば、その中でどれが真理であるかを即座に決定しうるであろう。しかし、神ならぬ人間が、神のような権威をもって断定を下すことは、思い上がった独断の態度にほかならないのである。さればといって、どれが進むべさほんとうの道であるかわからないというだけでは、問題はいつまてたっても解決しない。だから、多数決によって一応の解決をつけるのである。つまり、多数決は、これならば確かに正しいと決定してしまうのではなくて、それで一応問題のけりをつけて先に進んで見るための方法なのである。

それでは、対立する幾つかの意見の中でどれが正しいかは、いつまでたってもわからないのであろうか。
いや、決してそんなことはない。正しい道と正しくない道は、やがてはっきりとわかる時が来る。何でわかるかというと、経験がそれを教えてくれるのである。神ならぬ人間には、あらかじめその区別を絶対の確実さをもって知ることはできない。しかし、一応多数決によって問題のけりをつけ、その方針で法律を作り、政治をやってみると、その結果は、まもなく実施の上に現われて来る。公共の福祉のためにやはりそのほうがよかった、ということになる場合もある。逆に、多数の意見で決めた方針がまちがっていて、少数意見に従ておいた方がよかったということが、事実によって明らかに示される場合もある。前の場合ならば、それはそのまゝでよい。あとのような場合には、少数意見によって示された方針によって法律を改め、政治のやり方を変えていく必要が起こる。その場合には、国民はもはや前の多数意見を支持しないであろう。反対に、今までは少数であった意見の方を多くの人々が支持するようになるであろう。そうなれば、以前の多数意見は少数意見になり、少数意見は多数意見に成長して、改めて国会で議決することにより、法律を改正することができる。このようにして、法律がだんだんと進歩して言って、政治が次第に正しい方向に向かうようになって行く。かくのごとくに、多数決の結果を絶えず経験によって修正し、国民の評判と協力とを通じて政治を不断に進歩させて行くところに、民主主義のほんとうの強みがある。少数の声を絶えず聞くという努力を怠り、たゞ多数決主義だけをふりまわすのは、民主主義の堕落した形であるにすぎない。
独裁者は豪語する「予の判断に狂いはない、予の示す方向は必ず正しい。人民どもよ、黙ってついて来い。批判や反対は許さない。現在の犠牲をいうな。将来の幸福は予が保障する。よしんばおまえたちは苦しみの生涯を送るとしても、その苦労はおまえたちの子孫の幸福となって実を結ぶ。だから、しんぼうせよ。民族の繁栄のために。国家の発展のために。」と。
国民の大部分は、独裁者のこの予言に陶酔する。他の人人は、これを疑い、これに反対の考えをいだいているが、その気持ちをおもてに表せば縛られる。だから、しかたなしについて行く。独裁者の予言がとほうもないから手形であったことがわかる日まで。
この独裁者のごうまんなことばに対して、民主主義は説く。「政治は国民の政治である。政治のもたらす福利は、国民自ら刈り取ることができる。しかし、それには、国民自身がよく土地を耕し、よい種をまき、除草や施肥や灌水に不断の努力をしなければならない。いろいろと困難な事情があるこの世の中で、みごとな政治の実をみのらせるにはどうすればよいのか。その方法は、国民自らが考え、だれでもが遠慮なく意見を言い。みんなの相談で決めて行くべきだ。しかし、意見が一致することは容易にありえない。だから、多数決によって一つの方針を採用し、みんだでその方針のもとに協力していく必要がある。もし多数決で決めたやり方が悪ければ、その結果は秋の収穫の上にはっきりと現われるであろう。そうしたら、来年はその経験を生かして、別の方針でやってみるのがよい。そうやって行くうちに、今日の困難はだんだんと克服されて、国民自身の幸福のためのりっぱな政治のみのりをあげることができるに相違ない。多数決を結論が時にまちがうことがあるからといって、多数決の方法を捨ててはならない。多数決の方法を捨てれば、必ず独裁主義になる。多数決の方法をとりながら、多数決の犯した間違いを、更に多数決によって正してくのが、ほんとうの民主主義である。」と。



今の安倍政治のやりかたは、報道機関に圧力をかけたり、自分たとの考えと違う番組は改編させたり、自分たちに都合が悪い報道をする新聞社は潰さないといけないといったり、こらしめなといけない。などなど国民の先頭に立って民主主義を護り実現していくべき国会議員の言動とは思えないです。
また、首相の使うことばにも「私が責任者だ、これしかない、いましかない、やるときはやる、」。安保関連法案は国民の多くが疑問いおもっているのに「決める時に決めていく、これが民主主義だ」。アベノミクスではトリクルダウン理論をもちだし、「徐々にあふれ落ちる、浸透する」と言い、大企業に好景気が出始めたら、末端までその利益が届くまで時間がかかると言っています。これらの言葉を聞くと、独裁者が「予の判断に狂いはない、予の示す方向は必ず正しい。人民どもよ、黙ってついて来い。批判や反対は許さない。現在の犠牲をいうな。将来の幸福は予が保障する。よしんばおまえたちは苦しみの生涯を送るとしても、その苦労はおまえたちの子孫の幸福となって実を結ぶ。だから、しんぼうせよ。民族の繁栄のために。国家の発展のために。」と言っているのとよく似ています。

また、新国立競技場の問題で今まで先延ばしにしてきたが、国民がその巨額の工事費と技術的な難しさに関心をもち始めると、一から見直して建設費の安いものにすると言い始めています。しかし、国民生活にもっと関係ある、TPPや原発問題はあまり公にすることを渋っているように見えます。自分たちに都合が悪いことはできるだけ隠し、どうにもならなければ新国立競技場のように逃げる。まさに、政治をわがものとして自分は最高責任者きどりは、独裁者そのもののように見えます。
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記事へのコメント
  • 息子を裏口入学させた受託収賄罪
    アジシオ次郎 (07/10)
    こんにちは。

    文部科学省の局長が私立大学への支援事業に便宜を図る見返りとして自分の子供を大学に入れるよう裏口入学を持ちかけたとして住宅収賄で逮捕されたって言う
  • パレスチナの混乱
    竹林泉水 (05/26)
    いつまでも、パレスチナ問題がくすぶり続けますね。
    おっしゃるように、ドイツからの大量虐殺やヨーロッパからの他の民族から差別され虐げられ、その苦渋の思いはよくわか
  • パレスチナの混乱
    アジシオ次郎 (05/22)
    おはようございます。

    イスラエル建国からずっと続くパレスチナ問題、アメリカが大使館をエルサレムに移転したことで混乱の火に油を注ぐ事態となったけど、アメリカは事
  • またまた憲法について思うこと
    竹林泉水 (05/18)
    安倍晋三氏は母方の祖父、岸信介が首相の以前から、憲法はGHQの素案に基づいて作ったもので、日本人が自らの手で作ったものを制定すべきという持論をもっていた。そこで
  • またまた憲法について思うこと
    風と雲 (05/17)
    全面的にお説に賛成です。憲法は逐条の内容で論ずるべきで、改憲か護憲かではなく、現状の権力構造が国民の幸福と人権を妨げることへの言及が不足する部分は強化するべきか
  • 麻生大臣の発言
    竹林泉水 (05/12)
    麻生大臣にかかわらず日本の人権感覚や女性が活躍する社会といいながら、このようなことを容認するような政権の体質にはうんざりとします。
    いかにあるべきなのでしょうか
  • 麻生大臣の発言
    アジシオ次郎 (05/11)
    おはようございます。

    セクハラ罪という罪はないなんてまた問題発言をしでかした麻生太郎副総理兼財務相、この人は度々問題発言をしては世間を騒がせてますが、今回のケ
  • 安倍政権の男尊女卑のような感覚
    アジシオ次郎 (05/01)
    こんにちは。

    政府や官僚がセクハラっていうかハラスメント全般を許されない・みっともない・立派な人権侵害である。と言う意識が全く無いというのは、ただでさえ人権意
  • セクハラは人権問題
    竹林泉水 (04/24)
    下村元文科相もひどいことを言っていますね。下村氏はもう少しましな人だと思っていたが、あきれてしまった。
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