竹林の Twitter 新しいウインドウで開きます。

選挙公約と憲法

自民党などに憲法を変えようとする意見がある。では変えるべき理由はなにか、それは太平洋戦争の敗戦下で連合軍の占領下で作られた押しつけ憲法としている。
では、その押しつけ憲法のどこが問題なのか、そして自民党はどうあるべきとしているのかを現行の「日本国憲法」と「自民党草案」を所々比べてみる。

日本国憲法の何が問題なのか、9条の戦争放棄がよく取り上げられるが、9条だけが課題ではない。自民党の憲法草案を見ると、それより重大なことが書かれ、自民党の草案に置き換わると、これからの日本国民の生活が大きく変わる事が書かれています。
日本の敗戦後「大日本帝国憲法」から「日本国憲法」に変わり、日本人の生活は大きく変わりました。一つは、臣民から国民になったことです。臣民とは君主に仕える民と言うことで、国民は天皇・国の僕と言うことになります。このことにより、太平洋戦争では多くの国民が兵隊として戦地にかり出され玉砕し、沖縄では本土の楯となり多くの人が犠牲なりました。
国民とは一国の人民のことで人民とは、その国を構成している一人一人人格を持った人々のことです。
ですから、日本国憲法の第13条には、「すべて国民は、個人として尊重される。」とあるのです。民主主義国家としての宣言でもあるといえる。

また、戦前は選挙権は成人の日本国民全員にはなく、男子のみで高額納税者にしか選挙権がなかった。大正時代に納税条件は撤廃されたが、女性には選挙権が無かったです。。
日本の選挙人の推移は次のようになっています。
1889年(明治22年)満25歳以上の男性で直接国税15円以上
1900年(明治33年)納税条件が10円以上
1919年(大正8年)納税条件が3円以上
1925年(大正14年)納税条件撤廃。満25歳以上の男性全員
1945年(昭和20年)満20歳以上の男女に選挙権付与

他にも細かく見比べていくと、今の現行憲法がいかに、人権を重視し民主主義を重視したものかわかります。

それでは、自民党の草案はどうかと、日本国憲法と見比べてみる。私は法律の専門家でなにので間違っているかもしれないが、私の解釈で読み比べてみる。

まずは前文に、日本国憲法では、国民に主権があり、議会制の間接民主主義制度であることが明記されている。
しかし、自民党憲法草案では、天皇を戴いただく国家であり、国民主権の国としつつも、第一条では、天皇を元首と位置づけています。


◇日本国憲法
第11条国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
◆自民党憲法草案
第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。

「妨げられない」法律用語では、「・・・・あってはならない」という意味になる。すなわち生まれつき持っている権利を妨げてはならない。
自民党の草案では、それを単に「有する」で持っているとなっているだけです。
そして、日本国憲法では、それを「与える」と言うことは国としてそれを保証すると言うことです。


◇日本国憲法
第12条この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
◆自民党憲法草案
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。

国民に与えられた権利をむやみに使ってはならないといい、そして現行憲法では「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」となっているところが、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。」この「責任を負ふ」というのは、不断の努力がなければ乱用してしまうだけになるのでそれを戒めている。
自民党草案では、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、」と、小学生にでも諭すように説き、「常に公益及び公の秩序に反してはならない。」公共の福祉より公益と秩序に反してはならないとなっています。
この言葉の違いは、国民は自覚と責任を持たないとというよりも、国民は国家の下にありその利益につくさないといけないともうけとめられます。

「努力によつて、これを保持しなければならない。」と「努力により、保持されなければならない。」この二つの違いにも大きな違いがあると思う。
私自身国語について詳しくないので間違っているかもしれないが、前者の日本国憲法のほうが、国民に強くその基本的人権を守る努力をする責任がありそれが務めだと、言っているように感じる。自民党憲法草案では、守っていかなくてはならない程度のように感じる。


◇日本国憲法
第13条すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
◆自民党憲法草案
第十三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

ここで大きく違うのは、現行憲法では「個人」としてあるのが「人」になっていること。
「個人」とは、公的な立場を離れたひとりの人間と言うことです。それぞれ一人一人の人権が尊重されないといけないといっています。「人」となると単に人間としてとも解釈できます。そこには社会的弱者に対する思いやりや、それぞれの個人の個性や特性の尊重よりも、公益性が重視され軽ろんざれるとも限らない。


◇日本国憲法
第14条すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
◆自民党憲法草案
第十四条 全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

◇日本国憲法
第20条信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
◆自民党憲法草案
第二十条 信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。

一項で「何人に対してもこれを保障する」が、ただ「保障する」になり、何人がなくなっている。「何人(なにびと)」とは、どの様な人でもということです。主語がなくなっています。
「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」が「いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない」になっている。
宗教団体が政治的な事をしてはいけないと書かれているのが、国が特権を与えるのを禁じているが、宗教団体が行ってはならないとは明記していない。

自民党草案では国、地方公共団体の宗教活動を禁止したうえで、「ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。」となっている。このことは、靖国神社への参拝や玉串料を可能にする事を言っているのであろう。
首相や国会議員の靖国神社への参拝は、現行憲法では明らかに、この宗教の自由の20条と憲法を守る99条の国務大臣の憲法尊重擁護の義務に反し明らかに憲法違反なので、それを可能にするものでしょう。


◇日本国憲法
第99条天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ
◆自民党憲法草案
第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。

日本国憲法では国民の憲法への尊重擁護の義務は負うていないが、自民党草案で国民に尊重しなくてはいけないと強いています。
このことは、国民に憲法に対して異を唱えるな暗に言っているようなもので、国務大臣などが憲法を尊ぶのではなく擁護するようにいっている。このことは、憲法に対して発展的にかばい守ることは認めるということでしょうか。
それなら、憲法9条の解釈をねじ曲げて、集団的自衛権の行使可能にするならこの条項は如何様にも解釈でき、その時々の都合の良いように憲法を変えることもできるようになるのだろうか。



憲法を変えるに当たって、全条項を一括して変える考えと、一つ一つ変える考えがあるがどちらが良いかは意見が分かれるところだろう。一ついえる事は一括して変えるとすると、それだけの審議を丁寧に尽くせるのかが疑問である。一つ一つ変えるなら丁寧に審議できるはずですが、時間がかかることは確かです。しかしここで一番心配なのは、秘密保護法のように審議をつくさずに強硬に採決してしまう事が有ってはならないと思います。
今回の選挙では、景気や集団的自衛権や秘密保護法や釈迦保障の問題などに注目があつまっていますが、日本の根幹を左右することですから、各政党も憲法についてどの様に考えているのか明確に表明してもらいたいものです。
関連記事

テーマ : 憲法改正論議
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

どちらが新しいとおもうか

2012年に起草した自民党の憲法草案と69年前につくられた現行の日本国憲法とを、世界中の中学生にどちらが新しい憲法かとたずねると、どのような答えが返ってくるでしょう。

この質問を自民党議員にもしてみたです。そしてその回答結果を、同じ中学生に聞いてみると、どのような反応が返ってくるでしょうか。

Re: どちらが新しいとおもうか

おもしろい、問題です是非とも国会議員はいまは失職しているので、立候補者にアンケート調査したらどうでしょう。

Re: どちらが新しいとおもうか

立候補者に対しアベノミクスにたいしてのアンケートはありますが。
このさき、自民党が大勝したら必ずでてくる、憲法についてのアンケートはないですね。あっても具体性にかけたり、憲法9条に的がしぼられ、他の国民の生活の根幹にかかわるところは伏せられて蓋をされしまっています。

もう少し国民の生活を考えたアンケートであってほしいものです。

Re: Re: どちらが新しいとおもうか

浪速の天狗さんコメントありがとうございます。

そうですね、立候補者に憲法とはどうあるべきものかを問うたアンケートしてほしいでうね。
立憲主義の立場なのか、別の考えを持っているのか。
■竹林乃方丈庵の主から■

・いつも拙文を読んでいただきありがとうござます。
・見聞きしたことを独断と偏見で、気ままに綴ったものです。
・自分のために無責任に書き留めたものですから、読み終わったら捨て下さい。

記事の整理棚
禅 (2)
最新の30の記事
月別の過去の記事
07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   10   09   08   07   06   05   04   03   02   01   12   11   09   08  
単語による記事検索
竹林の過去の戯言のタイトル

過去の記事タイトルを100件づつ表示します

記事へのコメント
  • 息子を裏口入学させた受託収賄罪
    アジシオ次郎 (07/10)
    こんにちは。

    文部科学省の局長が私立大学への支援事業に便宜を図る見返りとして自分の子供を大学に入れるよう裏口入学を持ちかけたとして住宅収賄で逮捕されたって言う
  • パレスチナの混乱
    竹林泉水 (05/26)
    いつまでも、パレスチナ問題がくすぶり続けますね。
    おっしゃるように、ドイツからの大量虐殺やヨーロッパからの他の民族から差別され虐げられ、その苦渋の思いはよくわか
  • パレスチナの混乱
    アジシオ次郎 (05/22)
    おはようございます。

    イスラエル建国からずっと続くパレスチナ問題、アメリカが大使館をエルサレムに移転したことで混乱の火に油を注ぐ事態となったけど、アメリカは事
  • またまた憲法について思うこと
    竹林泉水 (05/18)
    安倍晋三氏は母方の祖父、岸信介が首相の以前から、憲法はGHQの素案に基づいて作ったもので、日本人が自らの手で作ったものを制定すべきという持論をもっていた。そこで
  • またまた憲法について思うこと
    風と雲 (05/17)
    全面的にお説に賛成です。憲法は逐条の内容で論ずるべきで、改憲か護憲かではなく、現状の権力構造が国民の幸福と人権を妨げることへの言及が不足する部分は強化するべきか
  • 麻生大臣の発言
    竹林泉水 (05/12)
    麻生大臣にかかわらず日本の人権感覚や女性が活躍する社会といいながら、このようなことを容認するような政権の体質にはうんざりとします。
    いかにあるべきなのでしょうか
  • 麻生大臣の発言
    アジシオ次郎 (05/11)
    おはようございます。

    セクハラ罪という罪はないなんてまた問題発言をしでかした麻生太郎副総理兼財務相、この人は度々問題発言をしては世間を騒がせてますが、今回のケ
  • 安倍政権の男尊女卑のような感覚
    アジシオ次郎 (05/01)
    こんにちは。

    政府や官僚がセクハラっていうかハラスメント全般を許されない・みっともない・立派な人権侵害である。と言う意識が全く無いというのは、ただでさえ人権意
  • セクハラは人権問題
    竹林泉水 (04/24)
    下村元文科相もひどいことを言っていますね。下村氏はもう少しましな人だと思っていたが、あきれてしまった。
    麻生副総理の「ナチに学んだら」や、石破氏の国会前の「テロ
  • 記事へのトラックバック
    ブロとも一覧

    うたのすけ

    山下道場

    荒野鷹虎

    海空居士

    紀瀬美香

    marihime

    お父さんの旅

    キラベル

    silver camellia

    kbrkのつぶやき

    魚京童!

    俊樹

    アジシオ次郎

    ほんわか?絵日記

    吾輩と旅と副業

    Chronos Moon

    ざっくり読書感想文

    Taiwa Sato

    びとら

    Resale Japan

    QWERT 5w1h

    (o ̄∇ ̄o)♪

    HIROGACHAN+

    しんのすけたろ

    勝ち組の日経225

    ハセッチブログ

    五月雨 時雨

    諭吉

    さくらさくら1

    不思議な不正義2
    ブロとも 申請フォーム

    竹林乃方丈庵のブロとも申請はこちらからです。

    Webページへのリンク
    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    更新履歴
    今日の暦と天気

    日めくりカレンダの説明

    ■2016年旧暦 日月の出入■

    06 | 2018/07 | 08
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031----

    ★☆今宵の夜空☆★

    NHKらじる★らじる
    大阪東京第2FM大阪
    何の日



    ご訪問ありがとうございます
    竹林泉水のTwitter
    FC2掲示板
    [ブログ記事へのコメント 掲示板のレス 感想など]
    ■□FC2のブログ□■
    _/_/_/竹林乃方丈庵を_/_/_/
    _/_/_/ リンクに追加 _/_/_/
    □■□■徒然諸諸■□■□ □■□■心の時代■□■□ □■□■息身心/健康■□■□ ----- □■□■厚生福祉■□■□ □■□■その他■□■□
    □■FC2以外のブログ■□
    諸諸 徒然 「身・息・心」 こころの時代
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR