群盲象に撫でる
群盲象に撫でる。
「涅槃経」
鏡面王が、盲人たちが象を知らないと言うので、象というものを教えたいと考え、家臣にいって何人かの盲人に象を触らさせた。
そして、王は盲人たちに訊ねたた。「象というものが判ったか」。
すると、足を触った一人は「王様、象とは立派な柱のようなものです」と答えた。別の盲人は尾を触ったので、「箒のようです」と答えた。そして、他の腹を触った者は「太鼓のようです」、脇腹を触った者は「壁のようです」、背を触った者は「背の高い机のようです」、耳を触った者は「団扇のようです」、頭を触った者は「大きな石のようです」、牙を触った者は「大根のようなものです」、鼻を触った者は「太い綱のようなものです」と口々に答えた。
盲人達は象について、各々の見たことが正しいと言い争い、相手の見方は間違っていると言い出して収拾がつかなくなった。
これを見ていた、鏡面王は笑って言った。
「盲人達よ、お前達は、まだありがたい仏様の教えに接していない者のように、理解の幅が狭いのだ」。と。

北斎漫画 第八編
この話し、最近は視覚障碍者に、対して蔑視たこととしてとらわれることがあるので、ほとんど例えられなくなりました。
しかし、世の中の多くの出来事で、この話しの盲人のような人が実に多いことでしょう。
我々普通の者が世の中のいろいろなことを、批評するにもその起きている一面だけを見てしまい、その一部分のことだけを知っての批評にとどまって、全体を観察し得ないでいることが、今のインターネット時代でのいろいろな書き込みになんと多いことでしょうか。
そして何より、その無知な庶民に偏った情報ばかり流して、自分の都合のよい方向に世論を向けさせようとしている人も実に多いことでしょうか。
「涅槃経」
鏡面王が、盲人たちが象を知らないと言うので、象というものを教えたいと考え、家臣にいって何人かの盲人に象を触らさせた。
そして、王は盲人たちに訊ねたた。「象というものが判ったか」。
すると、足を触った一人は「王様、象とは立派な柱のようなものです」と答えた。別の盲人は尾を触ったので、「箒のようです」と答えた。そして、他の腹を触った者は「太鼓のようです」、脇腹を触った者は「壁のようです」、背を触った者は「背の高い机のようです」、耳を触った者は「団扇のようです」、頭を触った者は「大きな石のようです」、牙を触った者は「大根のようなものです」、鼻を触った者は「太い綱のようなものです」と口々に答えた。
盲人達は象について、各々の見たことが正しいと言い争い、相手の見方は間違っていると言い出して収拾がつかなくなった。
これを見ていた、鏡面王は笑って言った。
「盲人達よ、お前達は、まだありがたい仏様の教えに接していない者のように、理解の幅が狭いのだ」。と。

北斎漫画 第八編
この話し、最近は視覚障碍者に、対して蔑視たこととしてとらわれることがあるので、ほとんど例えられなくなりました。
しかし、世の中の多くの出来事で、この話しの盲人のような人が実に多いことでしょう。
我々普通の者が世の中のいろいろなことを、批評するにもその起きている一面だけを見てしまい、その一部分のことだけを知っての批評にとどまって、全体を観察し得ないでいることが、今のインターネット時代でのいろいろな書き込みになんと多いことでしょうか。
そして何より、その無知な庶民に偏った情報ばかり流して、自分の都合のよい方向に世論を向けさせようとしている人も実に多いことでしょうか。
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