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正面から反論しない軽薄さ

神話学者・民俗学者である高木敏雄が、高橋龍雄が雑誌『日本主義』で展開している「神代史に於ける新研究」に対して、高木敏雄が批判したが、それに対して高橋の反論は罵詈誹謗したものだったようだ。それについて高木は「高橋氏に答う」を発表している。
高木の「増訂日本神話伝説の研究 東洋文庫」のそれを読むと、いささか子供じみた学者らしくないものです。高橋は國學院で講師を務めていたようだが、論文に対して批判意見に対しては、反論として論文で行うのが通常だが、高橋のそれはいささか学者らしくないように感じる。高木の思いが書かれているのでそこを抜き出しみる。
「余輩はここにおいて、足下の心事を疑わざらんと欲するも、能わざるなり。余輩は日本主義によりて神代史を研究するの非なるをいいぬ。足下はこれに答えて、日本主義非ならば非日本主義も非というのみ。余輩は少しもこの答弁に満足すること能わず。単にこれのみならず、足下の答弁はすべて、側面より来たり、一も正面より余輩の非難に答うるものなし。 以下略 」さらに「わがいまだ言わざるところを捉えて云々すちう。この点においても、足下の答弁は側面的にして、毫も正面より、余輩の非難に答うるところなし。 以下略 」
(「日本神話伝説の研究」は高木敏雄の論文を大林太良が編纂したものだが、初出の年月は2巻の巻末に記されている。それによると高橋氏に答うは「帝国文学」五巻七号明治32年1899年となっている)
このように、高橋は高木の論に正面から反論せず、個人的な主観的感想を悪口やののしりたもののようだ。これではまともな学問的な議論は行えないだろう。まだ、学会などでの論戦ならこのようなお粗末なことが交わされても、世の中には支障がないです。
ただ、このころから、江戸時代末期に起きた国学の運動が、再び息を吹き返し、日本の神話や記紀のなかから、神代史や日本主義が台頭して、教育勅語や愛国主義へと次第に向かっていったとみられる。

ところが、このようなことが、国会の場で数年前から繰り返されているように感じることある。
説明責任を果たすと口ではいいながら、野党の質問に正面から答えず、関係ないことや関連してことでも修辞や修飾が多く意味不明な答弁になってしまっている。
これでまともに国会が機能しているといえるのだろうか。
最も、日本主義とうのは、明治中期から明治政府の極端な欧化主義に対する反動で、日本古来の伝統的な精神を重視しこれを国家・社会の基調とする国家主義思想で、終戦まで続いていた運動といえる。その運動が日本が帝国主義の道に進むことにもなっている。
それが、現代に安倍政権になってから、復活し広がっているように思うのだがどうだろうか。
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■竹林乃方丈庵の主から■

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記事へのコメント
  • 不自由な国、日本
    竹林泉水 (06/29)
    日本語に「世間」と言葉があります。「世間体が悪い」「世間がうるさい」「世間を渡る」「世間に顔向けできない」「世間の目を気にする」「渡る世間に鬼はいない」などとつ
  • 不自由な国、日本
    アジシオ次郎 (06/27)
     おはようございます。

     日本はやはり集団主義が根強い社会であり、いわゆる「ムラ」社会的価値感が強い為に変に「和」を重んじる傾向の上に上の言うことは絶対だという
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    竹林泉水 (06/26)
    なんで日本人は欧米人に対してコンプレックスを持っているのだろうか。明治政府は今までの幕藩体制をぶっ壊し廃藩置県をし、国内の不平不満のエネルギーを外に敵を作ること
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    アジシオ次郎 (06/25)
     こんにちは。

     日本人は長年欧米コンプレックスを抱いたせいで白人に対して好意的に見る一方でアジア人や黒人を平気で見下すような傾向が強いけど、自分たちが置かれて
  • 長期政権
    アジシオ次郎 (06/24)
     おはようございます。

     長期政権がもたらすもの、それは腐敗と閉塞感以外の何物でもないが、一人の人間が十何年、何十年と居座ってては健全さなど皆無だし、変化を知ら
  • 人種差別から思ったこと
    竹林泉水 (06/21)
    コメントありがとうございます。

    人間は、自分は他よりも優秀だ思いたいがります。逆に自分はあの一人より仕事ができないと感じたり、あの人より低く見られていることに対
  • 人種差別から思ったこと
    アジシオ次郎 (06/18)
     おはようございます。

     相変わらず現代において根強く蔓延る人種差別の問題、長い歴史において人種差別や偏見はヒドかったけど、その歴史から何を学んでいるのかとも思
  • 人生二十最
    omachi (05/23)
    あなたの知らない日本史をどうぞ。
    歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めま
  • 100年前の教訓
    竹林泉水 (05/09)
    コメントありがとうございます
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