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中学校の歴史教科書

中学の歴史教科書の中に「学び舎」が出版する「ともに学ぶ人間の歴史」があるが、この教科書は、現役教員やOBらが執筆し、他社で記述がない慰安婦問題取上げ、1993年の「河野談話」を載せ、併せて「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない」との現在の政府見解も取り上げているものです。この教科書を国立や私立の中学校で38校が採用され使われています。その教科書の使用に対して、少なくとも10校で教科書使用に対して抗議を受けているそうです。
このような抗議は、教育の独立性が脅かされるるもので、とうてい認められるものではないです。
小中学校に教科書の採用にはその市町村の教育委員会にあり、国立、私立の学校では校長に権限がああり、その学校の自主的な判断が委ねられています。
ところが、このその教科書を採用している神戸の私立中学校の灘中学校に対し、一昨年から昨年にかけて、自民党の兵庫県議や衆院議員から和田校長に対して「なぜ採用したのか」と問い合わせがあったそうです。また、同じ文面の抗議のはがきが200通きたそうです。また、中には同校OBや親を騙る者もあったそうです。同じ文面似たような内容から、組織的な働きかけがあったとみられます。このほかにも、私学の麻布・慶応や国立の筑波大附属駒場、東京学芸大附属世田谷などもこの教科書を使っており、公にはなっていないがこれらの学校にも同様の圧力と受け止められる抗議が行なわれているでしょう。

抗議されている学校での採択は、その学校での検定教科書の中から選定委員会で決められているのですから何の問題もないと言うのが、県の私学教育課や教育委員会義務教育課、文科省の見解です。
灘中も教科書採択には校内の教員による採択委員会で文科省の検定に合格した教科書の中から、「歴史の基本である、読んで考えることに主眼を置いた教科書で、能動的な学習に向いている」だとして採択を決めている。これを客観的にみてもその使用校の教育にふさわしいと判断され、その手続きは正当であり何の問題もないのにこのような抗議がなされることは、民主主義を脅かすもので許されることではないです。当然、個人的に教科書の是非を問うのは自由で問題はないですが、特定の学校に対して圧力をかけるのは間違っているし、そのやり方も非常に手の込んだ組織的なところが問題です。

8月4日の神戸新聞に灘中の和田校長が昨年、同人誌に寄稿した「謂(いわ)れのない圧力の中で」と題した文章を寄稿した一節を取上げている。「自民党の一県会議員から『なぜあの教科書を採用したのか』と詰問された」「本校出身の自民党衆議院議員から電話がかかり、『政府筋からの問い合わせなのだが』と断った上で同様の質問を投げかけてきた」と明かしています。

ここで気になるのが『政府筋からの問い合わせなのだが』ですこのことについて、神戸新聞は当の盛山議員に取材すると、盛山議員は「灘中の教科書について、OBとして周囲から疑問の声を聞いたので、校長に伝えただけだ」と強調。「『政府筋からの問い合わせ』と言った覚えは全くない」言ったとしています。
これでは言った言わないの水掛け論だが、和田校長が自分たちの同人誌に『謂れのない圧力の中で -- ある教科書の選定について--』寄稿した文書を読むと、県会議員や衆議員からの問い合わせや、あの手この手の抗議の仕方に対して、圧力と感じない方がおかしいです。また、議員である立場からそのような言動は慎むべきことです。

「ともに学ぶ人間の歴史」について、灘中の和田校長の同人誌への寄稿が拡散したことにより、政治的な圧力の存在が顕わになったが、この抗議は灘中だけでなく他の学校への圧力もあり、こうした行ないや圧力は氷山の一角ではないだろうか。第一次安倍政権では、教育基本法に「愛国心条項」盛り込み、歴史教育を取り戻していくようです。教育への政治的圧力には、それこそ抗議でしょう。

和田校長は、歴史家保坂正康氏の『昭和史のかたち』(岩波新書)を一部を紹介している、その中の第二章の「昭和史と正方形 --日本型ファシズムの原型--」で、ファシズムの権力構造はこの正方形の枠内に、国民をなんとしても閉じこめてここから出さないように試みる。と書かれていることを紹介している。
その国家の正方形の各辺は、「情報の一元化」「教育の国家主義化」「弾圧立法の制定と拡大解釈」「官民挙げての暴力」だとしている。この部分を読んだとき私は次のように思った。「情報の一元化」は安倍政権下で、特定秘密法の成立や日本が報道の自由度が世界で72位になるなど、報道機関に圧力をかけてコントロールしようとしている。「教育の国家主義化」は、教育基本法の改悪や教科書検定に強化と今回のような圧力。「弾圧立法の制定と拡大解釈」共謀罪法の成立。など多くがすでにその枠が出来上がり狭まっているのではないだろうか。「官民挙げての暴力」ここまでは行っていないが、ネット上でリベラルなことを言ったり、慰安婦問題などでネット炎上が起きたりするので、民が官に迎合して行っているようで非常に危険に感じた。しかし、和田校長の文章を最後まで読むと同じようなことが書かれていました。

また、産経新聞はこの「ともに学ぶ人間の歴史」の謂れのない圧力問題について、「新しい歴史教科書をつくる会」の育鵬社教科書に激しい不採択運動があったとし政治的圧力圧力の有無の問題よりも、採用した学校特に灘中の教頭が電話取材に対し、「検定を通っている教科書であり、貴社に採択理由をお答えする筋合いはない」と返事をしたのだが、それを「理由非公表」として一方的に悪いかのような記事にして、灘中の対応を批判しているとも受け止められる記事をかいている。ご丁寧に用語解説として、教科書無償措置法の、採択した教科書やその採択理由などを公表する努力義務を、市町村教委や都道府県教委、国立や私立の小中学校長に課していることを紹介している。

「ともに学ぶ人間の歴史」採択校への抗議運動は、教育委員会や文科省は適正だとしているので行政的な動きではなく、その教科書を好ましくないと思う団体などの政治的な臭いがするのに、産経新聞のような記事は情報の一元化にすり寄っているように感じる。すでに、保坂正康氏の言うファシズムの権力構造の正方形の枠が出来上がりつつあるのではないかと感じてしまいます。

そもそも、学び舎の「ともに学ぶ人間の歴史」教科書は、受験勉強用の年次や語句を暗記させる従来の教科書ではなく、教科書の表題にあるように生徒に自らが「これは何」「どうしてこうなったか」と自発的に考え学ぶことを狙いと教科書です。他の教科書は歴史の問題となることを考えることを避けているが、「ともに学ぶ人間の歴史」はあえてそれに、踏み込んでいるのものです。つまり、「ともに学ぶ人間の歴史」をこころよく思わず使用する学校に抗議する人たちは、自分たちの歴史の中で負となるようなことからあえて目を逸らしていきたい人たちではないだろうか。
このことは、和田校長も「これからの教育のキーワードともなっている「アクティブ・ラーニング」は、学習者が主体的に問題を発見し、思考し、他の学習者と協働してより深い学習に達することを目指すものであるが、そういう意味ではこの教科書はまさにアクティブ・ラーニングに向いていると言えよう。」と言いています、またこの教科書が、市町村の公立中学校で採択されなかったことについては、次のように分析している「高校入試に向けた受験勉強には向いていないので、採択校のほとんどが、私立や国立の中高一貫校や大学附属の中学校であった。」
まさに、これからの日本人に必要な、主体的に問題を発見し、思考し、判断し、決断する能力を養う理想的な教科書と言えないだろうか。
この教科書の使用をこころよく思わない人たちが知りたい、採択理由はこの「アクティブ・ラーニング」だと答えても、それは納得いかずそれは自虐的とする従軍慰安婦などの記述があること自体を問題にしているので、それらの記述がある限りこれらの教科書を排除しようとするでしょう。

それでは、これらの教科書をこころよく思わない人たちはどのような人たちかはまた、紙幅が長くなってきたので改めて書いてみたいと思うが、それらの答えはこのブログの過去に記事に書いているように感じている。


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記事へのコメント
  • 臨時国会の開催はいつか
    風と雲 (08/04)
    一体今の日本はどうなってしまったのだろうかと思う。アベ内閣も与党も憲法に違反することを完全に無視して悪びれもせず堂々と実行してきた。、政府高官も最高裁も報道機関
  • 難病と尊厳死
    竹林泉水 (07/29)
    コメントありがとうございます。

    自ら生きる権利、自ら死ぬ権利があるのはよくわかります。
    それにはどちらも人・個人としての尊厳が保たれている必要がある考えます。
  • 難病と尊厳死
    風と雲 (07/28)
    意識して自ら命を絶つことができるのは人間だけだと思います。人には生きる権利と自由があるように、自らの命を絶つ権利も自由もあって然るべきではないでしょうか。このA
  • 不自由な国、日本
    アジシオ次郎 (07/01)
     自分よりも周りを優先する集団主義的な考えが同調圧力などがまかり通る社会なことについて前に
    >日本的なこの価値観は、海外から見たら奇異の目でしか見られないでしょ
  • 不自由な国、日本
    竹林泉水 (06/29)
    日本語に「世間」と言葉があります。「世間体が悪い」「世間がうるさい」「世間を渡る」「世間に顔向けできない」「世間の目を気にする」「渡る世間に鬼はいない」などとつ
  • 不自由な国、日本
    アジシオ次郎 (06/27)
     おはようございます。

     日本はやはり集団主義が根強い社会であり、いわゆる「ムラ」社会的価値感が強い為に変に「和」を重んじる傾向の上に上の言うことは絶対だという
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    竹林泉水 (06/26)
    なんで日本人は欧米人に対してコンプレックスを持っているのだろうか。明治政府は今までの幕藩体制をぶっ壊し廃藩置県をし、国内の不平不満のエネルギーを外に敵を作ること
  • 人種差別抗議行動への共鳴が日本で起きないのは
    アジシオ次郎 (06/25)
     こんにちは。

     日本人は長年欧米コンプレックスを抱いたせいで白人に対して好意的に見る一方でアジア人や黒人を平気で見下すような傾向が強いけど、自分たちが置かれて
  • 長期政権
    アジシオ次郎 (06/24)
     おはようございます。

     長期政権がもたらすもの、それは腐敗と閉塞感以外の何物でもないが、一人の人間が十何年、何十年と居座ってては健全さなど皆無だし、変化を知ら
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