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先看米便看砂 先看砂便看米

道元が著した「典座教訓」に、典座の心構えと、典座の仕事の実際について書かれている。
典座(てんぞ)とは、修行中の僧の食事を賄う仕事を引き受けている人でありその仕事を言う。

典座も重要な僧の修行の一つであり、その料理をつくる取り決めが細かく決められています。その細かな決まりは、修行僧の特別なものではなく、私たちの日常生活においても重要なことですが、今の便利な生活の中では疎かになってしまっています。

いま手元にある、講談社現代文庫の「典座教訓・赴粥飯法」を読んでみて、大切なことを考えてみたいと思う。

【典座の心構え】
禅苑清規云 須運道心 随時改変 令大衆受用安楽。
昔日 イ(サンズイ+爲)山洞山等勤之
其余諸大祖師 曾経来也
所以不同世俗食廚子及饌夫等者歟

『禅苑清規』によると、「当然すべきこととして、必ず仏道に帰依する心をめぐらし、その季節の旬に随って、食事に変化をつけ、修行僧が修行に励めるよう、受用安楽樂になるように心がけなければならない」と書かれている。
昔から、イ(サンズイ+爲)山(いさん)霊祐禅師や洞山(どうざん)守初禅師も、この典座の職を勤められた。
其のほかにも一宗一派を開いた僧なども、この典座を経験し勤められている。
だから世俗の料理人や給仕をする人と同じように考えてはいけない。

山僧在宋之時 暇日咨問于前資勤旧等 彼等聊擧見聞 以為山僧説。
此説似者 古來有道之仏祖所遺之骨隨也。
大抵須熟見禅苑清規。
然後須聞勤旧子細之説。

拙僧が宋に留学していた時、暇な時に、前資勤旧等に諮問してみると、
彼等は少しずつ拙僧のために説いてくれた。
そのときの教えは、
昔から仏道の祖師の教えと根本的に同じだった。
たいがいの教えはぜひとも『禪苑清規』をよく読んでから、先輩の説明を聞かないといけない。


【典座の仕事の実際】
淘米調菜等 自手親見 精勤誠心而作 不可一念疎怠緩慢 一事管看一事不管看。
功徳海中 一滴也莫譲 善根山上 一塵亦可積歟。

米をといただり、菜を調えたりするのは、典座自身が自ら手を下し、細かな点まで心を配り、誠心誠意にし、一念も疎かにしたり、手を抜いてはならない。一つのことに注意をはらい、一方のことでは気を抜いたりしてはいけない。功徳は海のように広く深いものでなくてはならない。
大海の水の一滴でも人に任すことが無いようにすべきである。よい報いを受ける行いは、さまざまな善を生みだすもとになりそれは、泰山のように大きいが、泰山の一粒の砂のように、功徳は自分で積み重ね泣けないといけない。。

禅禪苑清規云 六味不精 三徳不給 非典座所以奉衆也。
先看米便看砂 先看砂便看米 審細看来看去不可放心 自然三徳円滿 六味具備。

『禅苑清規』に次のように書かれている。「六味(苦い、酢い、甘い、辛い、塩からい、淡い)が調和して整っていないなら。
また、料理の三徳(料理のでき具合、見た目、内容)がそなわっていないなら、典座がその職を全うして、僧に食事を振る舞ったことにならないと。
まず、米をとぐときは、一粒の砂をも見逃さず、一粒の砂を取り除くとき、一粒の米も流さないように気をつけなくてはならない。ないににでもそのように、審細に気を配り、気をゆるめないように細心の注意をはらったなら、自ずと三徳は行き渡り満ち足りてゆく、それにより六味も調いそなわってゆく。


ここに書かれていることは、料理の話であり、しかも修行僧の料理をつくる典座のはなしだが、私たちの日頃の起居動作にもいえることです。それは、気張ってすることではなく、少しの心遣いからくるもので。米を研ぐときいい加減に何気なくしていると、研いでる最中の水を換える時でも、米を一粒どころか幾粒かの米を流してしまう。さらに、米を流してしまても何とも思わないようになってしまう。
一番大切なのはその、米を流しても何とも思わなくなってしまうこが怖いです。
米を研ぐ例え為ですが、他の食材でも見た目が悪いからと、調理するとき食べれるを捨ててしまう。またこれは調理する方のことだが、食べる方にもいえる。不味いからとと食べなかったり、バイキングなどで多く取りすぎて、残してしまっても何とも思わない。
調理のことだけでなく、仕事でも日常生活でも同じといえよう。そのようになってはならないので、気を配ることが大切と言える。

良寛禅師の詩から二つ

良寛禅師の詩から二つ


人心各不同 人の心は同じからず
如面有相違 顔の相は違いがある
倶執一般見 倶に一般の見に執して
到処逓是非 到る処 たがいに是非ず
似我非為是 我に似れば非も是となし
異我是為非 我に異なれば是も非となす
非我之所非 非は我れの非とするところ
是非始在己 是非は始めより己に在り
道固不若斯 道は固より斯くの若くならず
似[竹高]極海底 [竹高](棹)を以て海底を極めんとすれば
祇覚一場疲 ただ一場の疲れを覚ゆるのみ


人の心は同それぞれ違うものだ
顔の相には違いがあるように
ところが誰もが同じものだと見なしてしまう
どこでもお互いに相手の是非を決めつける
自分に似ていれば、相手の非をも是とする
自分と違うところは、相手の是も非とする
是はすべておのれの是とするところで決まる
非はすべておのれの非とするところで決まる
是非のよりどこは、始めから自分にあるのだ
しかし、ことわりというものは、もちろんそんなものではない
棹でもって、海の底まで突こうとするようなものだ
ただ、がっくりと疲れ果てるだけだ


次も同じことを主題にした詩です

人心各不同 人の心は同じからず
如面有相違 顔の相は違いがある
倶執一般見 倶に一般の見に執して
到処逓是非 到る処 たがいに是非ず
是我之所是 是は我がに是とするところ
非我之所非 非は我の非とするところと
只麼如是去 只麼もかく如くもそ去くは
何似不是非 是非せざるに何似ぞや


人の心は同それぞれ違うものだ
顔の相には違いがあるように
ところが誰もが同じものだと見なしてしまう
どこでもお互いに相手の是非をきめつける
是はすべておのれの是とするところで決まる
非はすべておのれの非とするところで決まる
ひたすらにこういうふうになってしまうのは
始めから是非をやらぬのに比べてどちらが優とも言えない。


今までもよく、日本人は金太郎飴のようだといわれてきた。最近その傾向がますます強まている。今までは、個々が同じようになろうとしていたが、このごろは個々の人が、相手も自分と同じ考えだと思おうとする傾向が強まっているように思える。

これは、巷の社会的傾向だけでなく、政治のなかもそのような傾向がある。とくに、今日本の政治を引っ張っていく位置にある人に、この傾向が強いようです。

それぞれ人は、個人として個性がりそれが尊重されることにより、その人の存在があるのです。ところが、自分の考えが正しいと信じ込んで、善意でそれを押し通そうとしている。
自分の意見に異を挟む人に対し、必要に間違っていると攻撃したり。論戦を挑んできてもまともに応えないで、はぐらかして、論点をすり替えたりしてします。
自分の考えがすべて正しく、是に沿って進むのが正しいと、独善的になるとどうなるか。それは、棹を刺して進む船で、海を航海するようなものでしょう。そのようなことをしても海を航海できない。何れは、うまくいかなくり、修復しようのない状態に陥ることになる。そうなる前に、このいやな雰囲気に歯止めをかけよないと、ますます世の中が息苦しくなであろう。
■竹林乃方丈庵の主から■

・いつも拙文を読んでいただきありがとうござます。
・見聞きしたことを独断と偏見で、気ままに綴ったものです。
・自分のために無責任に書き留めたものですから、読み終わったら捨て下さい。

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記事へのコメント
  • 東日本大震災追悼式で安倍首相は原発事故に触れなかった。
    竹林泉水 (03/18)
    今一度野田首相が宣言したように、安倍総理は原発事故は収束したと本当は言いたいのでしょう。政府は必ず嘘をつく、それは、オリンピックの施設建設や、豊洲市場もそうです
  • 東日本大震災追悼式で安倍首相は原発事故に触れなかった。
    アジシオ次郎 (03/18)
    おはようございます。

    今年の東日本大震災追悼式典で福島第一原発事故に言及しなかった安倍総理だが、未だに原発事故処理が解決していない、避難区域解除も進んでいな
  • マンションの挨拶禁止
    竹林泉水 (03/13)
    アジシオ次郎さん
    コメントのお返事大変遅くなり申し訳ありません。
    いまのよのなか、スマホが行き渡り本当におかしくなってきた感じですね、友達と集まってもみなそれぞ
  • マンションの挨拶禁止
    アジシオ次郎 (03/01)
    こんにちは。

    マンションで挨拶禁止って、正直近所づき合いを否定するようなものだし、挨拶をしっかりすると言う人としての常識に思いっきり反する行為だと思います。
  • これからの世界のゆくへ
    竹林泉水 (02/20)
    わたしには、トランプ大統領のメディア批判は、日本の首相を見習っているように思えてしまいます。
    アメリカは自由と民主主義国の国でこのようなことはないと思っていまし
  • 軍隊は国民を守るにあらず国を守るもの
    竹林泉水 (02/20)
    コメントありがとうございます

    自衛隊法にどのように明記されていようが、文官と武官との考えの違いはあるのではないでしょうか。
    栗栖弘臣の言ったことは、上級指揮官
  • これからの世界のゆくへ
    アジシオ次郎 (02/18)
    こんにちは。

    アメリカのトランプ大統領のメディア批判は、自分に都合の悪い話をする者はケチョンケチョンにこき下ろすと言う子供じみた言動にしか見えないが、自分に
  • 軍隊は国民を守るにあらず国を守るもの
    まり姫 (02/07)
    自衛隊法第三条に人命救助をする仕事として書かれていますよ。
    主たる任務ではないけれど、副次的任務としてきちんと規定されています。
    元統合幕僚議長の述べていること
  • 世界の民主主義が行き詰
    竹林泉水 (01/26)
    以前から時々コメントされるのですが。
    コメントを投稿されても、ロシア文字のような文字化けや、タグを書き込みそれがそのまま表示されるコメントがります。

    そのよう
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